2001年10月、学生自分だった私は、その年の大学祭のイベントとして、Microsoft
の仙台支社に依頼して講演を企画しました。題目は「21世紀のカタチ」でした。
当初、Microsoft には、発売間近の Xbox
を取り上げて頂きたく進めていたのですが、さすがに発売前の実機を持ち込むのは困難ということで、発表間もない「Windows
XP」についてお話を頂きました。
その講演の核心は「メディアとはコンピュータである」。つまり、Windows
XP
は、すべてのメディアを取り込むハブとなるという宣言でした。
正直、雲をつかむような話だと感じ、メディアの聖域を侵す印象もあって、どこか訝しく受け止めていたという記憶があります。
果たして、7年を経過した今、Microsoft の思惑通り、あらゆるメディアへのアクセスはPCで事足りるようになりました。
そして現在、UMPCというジャンルの確立は、従来のPCと携帯端末の間を埋め合わせる情報ツールという位置を確立するのではないかと感じています。
個人的な意見ですが、UMPCは「ノート」に取って代わる位置にあると考えます。言葉のアヤではありますが、従来「ノートPC」は「ノートサイズのPC」であって「ノートの代わりになるPC」ではなかったのです。サイズが小さくなっても、まだ重い。
私が問いたいのは、機動性という点ですが、「機動性なら携帯電話でしょ?」という疑問もあるでしょう。重要なのは「UMPC
は機動性に優れた『普通のPC』である」ということです。例えば、こう考えます。
ここで言いたいのは、性能差云々の問題ではなく、従来のPCと従来のモバイル端末は、同じ「情報」を扱いながらも、互いに概念の異なる存在だったと思うのです。一方でUMPCは、一見奇をてらったように見えて、実は合理的であり、これまでと変わらぬ手順で使える。小ささばかりを追いかけてきた従来のモバイルには、ありそうでなかったモノ。手早くメモを書きとめる、スライドを再生してプレゼンに使う … インターフェースを絡めて考えると、携帯電話ではなかなか踏み込めない部分ではないかと考えるのです。
こちらは、より主観的ですがクリアな話です。
実世界において、資料に用いる紙のサイズは A4
が標準になっています。そういう趨勢に基づいているのでしょうか、スキャナのサイズも個人用途では
A4
しかないと言って良いくらい数を占めています。しかしながら、この
A4 スキャナというヤツ、A4の冊子を
1ページずつスキャンしようと見開きにすると、原稿台に入らない部分のせいで上手くスキャンするのは難しいものです。
取り込みの標準サイズが A4
なら、見開きをキレイに取り込めるサイズは A5
ということになります。そう考えると「A5版」というサイズは、この先の情報化におけるキーポイントになるのでは!?
…大袈裟でしょうか。でも、すっかり信じ込んでしまって、早速書き込み用のノートとして A5 サイズを所望してしまいました。これを持ち運ぶものとして、ノートがすっぽり入るサイズの、小さめのショルダーバッグも購入しました。このバッグに … UMPC はスッポリ収まったのです。
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「A5の可能性」を予見していきなり揃えた「デキる男のフリ」セット |
左: Eee PC 900-X、右: A5ノート |
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上のセットが、すべてこの小さなショルダーバッグに収まる |
改めて、バッグとEee PCの大きさ(小ささ?)の比較 |
2008/11/07: 作成